腰痛・坐骨神経痛に関しての情報と漢方治療に対するからさわ薬局の考え方や取り組みなどを紹介していきます。

腰痛の原因と漢方治療

腰痛、腰痛症は病名ではなく、腰が痛むという症状の呼び方です。
実は腰痛を引き起こす病気には色々あります。

1.先天性のもの。生まれつきの脊椎変形など。
2.腫瘍(しゅよう)によるもの。良性腫瘍、悪性腫瘍、両方があります。
3.外傷によるもの。
 a.腰部の捻挫、いわゆる「ぎっくり腰」。
 b.骨折(圧迫骨折、脱臼骨折)
 c.脊椎分離症(疲労骨折)、脊椎すべり症
4.骨の代謝の異常によるもの。特に骨粗鬆症など。
5.感染症によるもの。結核性脊髄炎、化膿性脊髄炎など。
6.変形疾患とよばれるもの。加齢現象。
代表的なのは、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症
7.姿勢によるもの、生活環境によるもの。
8.腰の骨(腰椎)や周辺の筋肉ではなく、他の臓器の異常によるもの。
9.心因性によるもの。

大まかに分けてもこれだけの原因がありますので、腰痛が長く続く場合は自己判断ではなく、一度は医師の診察を受けられることをお勧めします。上の分類の中で、からさわ薬局で取り組んでいるのは、次のものです。

  • いわゆる「ぎっくり腰」などの急性腰痛
  • 一部の骨折(圧迫骨折など)
  • 脊椎分離症(疲労骨折)、脊椎すべり症
  • 骨の代謝の異常によるもの、特に骨粗鬆症に関係したものなど
  • 加齢性のもの、特に脊柱管狭窄症など

腰痛の漢方治療について

腰痛の状態・複合する症状(しびれなど)と症状の経過や年齢や生活スタイルなどを総合してその原因を考えます。
急性・慢性ともに漢方治療の対象になりますが、まずその判断を行います。
基本的な治療パターンは、
・痛みやしびれなどの症状をとるもの
・原因をとるもの(加齢による骨老化など)
これらをどう組み合わせる必要があるかをみていきます。
大半の腰痛は、腰椎のどのあたりに強く原因があるのかを調べながら、もっとも強く症状に影響している部分を中心に治療していくと、周辺症状も取れていくことが多いです。
脊柱菅狭窄症やすべり症の場合は、必ず骨老化に対する治療を組み合わせる必要があります。

腰痛に関係した疾患の漢方治療例

ぎっくり腰

30代男性のぎっくり腰。
急性であるので、陽の膀胱経に属する反応が強い。
急性症状に用いる漢方処方から選択して、服用したところ、30分ほどで激しい痛みが消えてくる。翌日には普通に歩けるようになる。念のために7日ほど服用をして、治療を終了。

※予約が混んでいるため、急性のぎっくり腰などにすぐに対応する機会がすっかり少なくなりましたが…タイミングが合えばいくらでも対応したいと思います。

女性の繰り返す腰痛

50代の女性、ぎっくり腰のような急性の腰痛をたびたび繰り返している。
腰椎をチェックすると、腰椎5番あたりを中心に強い反応があり、陽証で急性と思われる。急性ではあるが、中高年の女性で繰り返す腰痛の場合は骨の代謝を活発にするものが必要かどうか必ず検討する。検討した結果、骨老化に用いる処方+急性症の処方できれいに反応し、その処方を組み合わせて治療を開始した。
漢方薬を服用し始めて、翌日の夜にはかなり痛みが減少。
しかし、急性であるが背景は若干の骨老化と思われるため、3ヶ月ほどしっかり服用していただいたところ、その後は非常に調子が良く、腰痛の再発がない。

脊柱菅狭窄症

80代後半の女性。
腰椎すべり症と腰部脊柱菅狭窄症の診断で、歩行時や少し立っているとひどい腰痛がある。
足のしびれも強く、足の付根から足底部までしびれる。
太もも部分も刺すような痛みがある。
病院で出た薬も服用し、またブロック注射にも通い、ブロック注射をするとその日から長くて3日ほどは落ち着くが、またもとに戻るのを繰り返している。

知人の紹介で来局し、背面からみて腰椎の弯曲も強く、年齢的にも治療できるかどうか不安であったが、神経痛(しびれを含む)の処方+骨老化の処方で治療を開始。

一進一退があったものの、代謝を活発にする補助剤とミネラルを組み合わせ、漢方の働きを補っていったところ、激しい症状がなくなってくる。
服用の負担も考慮しながら、なるべく飲みやすい方法に絞って経過をみていったところ、漢方治療開始から約1年後には足のしびれはほとんど消失し、腰痛も太ももの刺すような痛みもなくなった。
かなり改善してはいるが、年齢的にも骨老化はかなり進行している可能性が高く、最低限の量の漢方薬に絞って少量を長く継続して再発防止につとめてもらっている。

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